就職活動

埼玉弁護士会は、求人が少ないことを理由に、就職説明会を中止したらしい。
他の弁護士会でも、「○日に就職説明会を行いますが、参加する事務所は2つの予定ですので、それを踏まえてお越しください。」というようなFAXが届いたりする。
大っぴらに募集をかけず、こっそり募集しているところも多いから、これだけでがっかりしてはいけないけど、こんなに厳しいのかとやっぱり思ってしまう。


熊本県弁護士会はずっと年に1人2人入会してくるかどうかで、100人程度で推移していたそうだが、最近は毎年10人以上入会があり、今は190〜200人になっている。
この5〜6年で倍増、若手ばかりが急増している。
事務所のキャパがあるから、物理的にもう人を増やせない(いい言い訳?)と言っている事務所も結構あるようだ。
どこの弁護士会も似たような情況で、地方でも、裁判所の本庁がある都市は、どこももういっぱいになってきているのが現状らしい。


ロースクールでやっているという前提で、前期修習は廃止。
実際は前期修習に代わる授業をやっていないところもあるらしいし、やっていても、司法試験を受ける前に受けた授業と、修習直前に受けた授業では、身の入り方も記憶の残り方も大きく違うはず。
で、最近の修習生は何も知らない、となる。


「これの意味わかる?」
「いえ、わかりません。」
「〜ということだけどね、前期修習がないからねぇ。」
「そういえば、ローで習いましたが、忘れてました。」
「ああ、ローでやったことになってるってやつね。」
「いえ、本当に習ったのですが、何せ2年くらい前の話ですので…」
修習中の私の実話。情けない。


旧試験と新試験と両方を体験した人間としては、旧試験組が新試験組をバカにする気持ちもわかるが(私もローに入る前は、そういう気持ちがあった)、お前らじゃあローに行って新試験受けてみろよ!と言いたくなる。
でも、そんなことを言っても何にもならないし、言ったら負けだ。


実務に出たら、どちらの試験で合格したのかなんて何の関係もない。
頭がいいだけでは客の信頼は得られないから、弁護士としての能力は法律知識だけでは測れない。
頭はいいんだろうが、私ならあいつには絶対頼まないと思う弁護士もいる。
悔しかったら勉強して実力をつければいいし、いろんな経験積んで人間力もつけなければと思う。
いや、ほんともっと勉強せんと。


しかし、就職活動がどんどん大変になってきていて、週末は高速バスに乗って、事務所訪問や面接などに費やされる。
平日も、修習を早退させてもらって、高速バスで往復なんてのもやったり。
修習は1年しかないのに。
修習が2年だった頃(15年前くらい)に弁護士になった人は、もうどこの事務所も来てくれ、来てくれで、選ぶのが大変だったと言う…。
親が弁護士とかで就職活動をしなくていい人がうらやましい。


就職活動も二回試験も怖い。
怖いけど、あんまり悲観的になってもしょうがないし、何とかなるでしょう。きっと。
諦めなければどうにかなるはず。