海外研修記その19 〜ネパール編③〜

<パタン>
パタンのダルバール広場。世界遺産です。
パタンは長い仏教の歴史をもち、今も住民の8割が仏教徒だそうです。
カトマンドゥのダルバール広場は観光地化されすぎてますが、こちらの方がお寺も現役の信仰の対象という感じで雰囲気がよく、建物も見ごたえがありました。

同じ仏教のお寺でも、国によって雰囲気は全然違いますね。

アンコールワットのような雰囲気もあります。
手前の像は、鳥人ガルーダの像です。
ネパールにはお釈迦様が生まれたルンビニがあり、仏教徒も多いのですが、現在は圧倒的にヒンドゥー教徒が多く、カースト制度もあります。
シヴァ寺院、クリシュナ寺院など名前だけ聞くとヒンドゥー教のお寺だと思うのですが、実は仏教のお寺だったりします。マニ車などチベット仏教と同じところもありますが、祀られている仏像はヒンドゥー教の神様のように見えます。
仏教のお寺かヒンドゥー教のお寺かは全く区別がつきません。ネパールでは仏教とヒンドゥー教が融合し、どちらの宗教も認め合っているように感じます。
ヒンドゥー教徒(インド)とイスラム教徒(パキスタン)は分離してしまったけど、ヒンドゥー教徒仏教徒は一緒にやっていけるんでしょうね。同じ土地で生まれた宗教だからかと納得しかけましたが、それならユダヤ教キリスト教イスラム教の関係は・・・。
宗教意識の希薄な日本人には、このあたりの対立がいまいちピンとこないんですよね。仏教は他宗教と敵対しにくいのでしょうか。

立派なストゥーパです。

狛・・・犬?
口が阿吽ではないですね。

狛象?
口が開いているのかどうかもわかりません。

旧王宮。

ゴールデンゲート。上の窓から王たちが公衆の前に姿を現したそうです。

通り沿いにひっそりあるお地蔵さんのような仏像。
ネパールには街のあちこちにこういう仏像があり、たくさんの人がお参りしていきます。
赤く塗られているのは、ティカ(祝福の印)です。私も以前ネパールに来たときに、ネパリーからティカをたくさんつけられました。


チベット難民キャンプ>
パタンのダルバール広場から1kmくらい離れたところにチベット難民の居住区があります。
1959年以降、亡命したチベット人は、ネパールにもたくさん住んでいます。ネパールは比較的チベットと気候が近く、インドより住みやすいのではないでしょうか。

チベットの建物ですね。なんだか懐かしくてほっとします。
ここではカーペットを作って販売しており、製作過程を見学できます。

糸を紡ぐ人。

織る人。

完成品。虎を玄関マットに買って帰ろうかと一瞬思いました。
売上は難民キャンプの運営に使われるとのことで、貢献したかったのですが、手織りだけあって高いし、日本まで運べないし、カーペット売り場で飾られていたダライ・ラマ14世の写真の前に心ばかりの寄付金だけ置いて帰りました。当たり前ですけど、ネパールではダライ・ラマ14世の写真を堂々と飾ることができるんですね。
カーペットの売り子さんや、作っている人たちに、「タシデレ(こんにちは)」、「カレシュ(さようなら)」とチベット語で挨拶すると、みんなすごくうれしそうに返してくれました。
帰りにチベット人のおじさんにカトマンドゥ行きのバス停の場所を聞いたら、バス停に連れて行ってくれて、バスが来るまで一緒に待ってくれました。優しい。
おじさんに「チベット行ってきた」と言うと、すごい笑顔になりました。ポタラ、ノルブリンカ、ジョカン、ガンデン・ゴンパ、セラ・ゴンパ、ヤムドク湖、タシルンポと行ってきた場所を言うと、とても嬉しそうです。
このおじさんはいつ、どういう経緯で亡命を決意し、チベットを離れたんでしょう。中国に好き勝手やられている今のチベットをどう思っているんでしょう。陸続きの隣の国にいるのに、故郷には死ぬまで帰れないかもしれません。
帰りたかろう。