海外研修記その18 〜ネパール編②〜

<ダルバール広場>
カトマンドゥのダルバール広場に行きました。世界遺産です。前に来たときも来たはずですが、全く覚えていませんでした。
「ダルバール」とはネパール語で「宮廷」という意味で、宮殿や寺院が立ち並びます。ダルバール広場はカトマンドゥだけでなく、パタンとバクタプルにもあります。
ネワール族の3つの王朝がカトマンドゥ、パタン、バクタプルに都を置き、それぞれの王が美しさを競い合ってダルバール広場を作ったそうで、現在残っているものは17〜18世紀に建てられた物が多いようです。
しかし、カトマンドゥ、パタン、バクタプルって、京都、宇治、大津って感じの距離感覚です。そんなに近接するところに王朝があると、争いの素のような気がしますが、実際はどうだったんでしょう。

ジャガナート寺院の朝。襲われるんじゃないかと思うくらい鳩がいます。ヒンドゥー教らしくお牛様もいらっしゃいますが、平和の象徴と聖なる動物というありがたみはあまりありませんでした。

シヴァ・パールヴァティー寺院。

シヴァ神とその奥さんのパールヴァティー妃が下界を見ています。

ナラヤン寺院とシヴァ寺院。

クマリの館。クマリ(生き女神)の家です。
クマリは密教女神ヴァジラ・デーヴィー、ヒンドゥー教の女神ドゥルガーが宿り、ネパール王国の守護神である女神タレジュやアルナプルナの生まれ変わりとされており、国内から選ばれた満月生まれの仏教徒の少女が初潮を迎えるまでクマリとして役割を果たします。
クマリは幼い頃から、社会から断絶された生活を送るため、幼児虐待や軟禁状態にあたると人権擁護団体から非難の声もあがっています。
このあたりの文化と人権との兼ね合いは難しいですね。
生き神というのはチベット仏教の影響があるのでしょうか。



ハヌマン・ドカ(旧王宮)。
これも多分入ったことあるはずですが、初めて見るところのように感じました。
旧王宮内は、歴代の王様の調度品や絵画などがたくさん飾ってあり、博物館になっています。
見て回っている途中で停電が2回ありました。暗くなるとほとんど見えないので、困っていると、職員らしき人は「5分待ってね」と全く慌てることがありません。いつものことなのでしょう。
しかし、1時間程度の観光時間で「5分待ってね」が2回もあると、2回目は待つ気にならず、暗い中をちゃっちゃと歩いて外に出てしまいました。日本人はせっかちなんですかねえ。

旧王宮の前はバザールになっています。

これはイギリス植民地時代に建てられた王宮だそうです。きれいですけど、レンガの建物や木彫りの細工が特徴的なネワール建築の中で浮いています。


<王宮>

私が持っていった古いガイドブックには「現王宮」、「ビレンドラ国王は世界でも指折りの金持ちらしい」と書かれています。
ネパールは以前来た時は王室があって、この王宮は高い塀の外から眺めただけだったけど、今は王室がなくなり、観光客がわんさか見学に来ており、隔世の感があります。
2001年にビレンドラ国王始め、ネパールの王族の大半がこの王宮内で銃撃されて殺されたという事件は、あんな平和な国でそんな大事件が!と大変衝撃的でした。公式発表された殺害理由は、王や王妃に結婚を反対された皇太子が一族を殺して自殺したということになっていますが、大変うさんくさいので、クーデター説が結構強いようです。
今回は中に入ろうと思っていたのですが、入場時間2時までに5分ほど間に合わず、門前払いを食らいました。またもや塀の外から眺めるだけ。無念。