不毛

母は、月1回折り紙を習いに行っている。
しかし、母には折り紙の適性がない。おそろしく不器用な上、端と端を合わせて折るという基本ができないため、出来上がった作品はたいてい不格好である。でも喜んで玄関や職場(老人ホーム)で飾っている。
さらに、母は習ってきた折り方をすぐに忘れてしまう。そのため、習ってきてすぐに私に折り方を教え、忘れたら私から教わるという手段まで使うし、大量生産するときは、必ず動員される。
最近、職場の夏祭りに使うからということで、私にやたらと傘を作らせた。

↑傘。折り畳み可能なすぐれものである。内側も同じ紙で折って、外側の紙をちまちま切って、ボンドでちまちま張り合わせるという根気のいる作業が必要で、1個作るのに30分くらいかかる。
こんなに傘を作っていると、いつの時代も浪人の内職は傘作りなのか?と心がすさんでくる。江戸時代の浪人との違いは、この傘作りは一銭にもならないことだ。ますますみじめになる。
私「もう傘作りたくないよう(しくしく)」
母「じゃ、次は下駄作ろっか♪」

↑下駄。
私「それも内職くさくて嫌だよう(しくしく)」
下駄は作らなくて良かったけど、バラは絶対使うから、バラを折ってくれと頼まれ、しぶしぶバラを折る。

↑バラ(私作成)。これは1個5分〜10分でできる。

↑バラもどき(母作成)。なんともいえない味があるとでも言えばいいのか?


バラは夏祭りに40個くらい使うからと言われ、11日の夏祭りに向け、ナイターを見ながらぼちぼち折っていっていたら、「夏祭り今日やった。あんた出来た奴持ってきてくれん?」と、今日母が職場から電話をかけてきた。
日にち間違うか?電車とバスを乗り継ぎ、母の職場まで片道約1時間。40個もできてなかったので、電車の中でも折りながら持っていったところ、母は私が折ったのを見て、「ここがもうちょっとねえ…」などと文句をつけ、手直しをはじめ、バラもどきにしやがり、「なんか崩れたけ、あんたちょっと直して」と言いやがった。
ええ、ブチ切れましたとも!
「まあ、あんた短気やねえ」って!あー、もう泣けてくるわ。


毎日が、こんな感じで不毛に過ぎていきます。これも何かの修行ですか?