答練

以前は勉強の話を書くと「つまらん」と言われ、コンサートで「歌うなしゃべれー!」とヤジを飛ばされるらしい、さだまさしのような気分を味わいましたが、最近は勉強の話もそれなりに需要があるようです。
私は友達に4時間で書く練習をすることをお勧めしています。でも4時間答練はしんどい!と言う人も結構多い。そこで、4時間で答案を書く意義について説明します。


まず、最初は4時間がしんどくて嫌でしょうがありません。でも、本番は4時間なので慣れるしかありません。
普段は2時間で練習していても、本番のときは気合も入ってるし、4時間書くのも苦にならないだろうから何とかなるだろうと思っていても、実際4時間で書いてみると感覚が全然違います。
本番は2時間やって休憩する暇はありません。2時間書いた直後に未知の問題に頭切り換えて挑まなければなりません。1問目が難しくてよくわからない場合も、焦りや不安を捨て、気持ちを切り換える必要もあります。また、1問目で2時間オーバーしてしまった場合の2問目の処理の仕方や、どちらの科目から先に書くのが自分に合っているかの分析も必要です。このような練習は、4時間ぶっ続けで書かないとできません。


次に、与えられた4時間を最大限自分に有効に生かす方法を見つける必要があります。答案構成にどの程度時間をかけるかや、4時間で書ける答案の分量を見極める必要があります。
私は2時間ずつ分けて1問ずつ解き、答案構成に30〜40分、答案は書いても1問あたり6ページと決めていました。
私は遅筆で1ページ書くのに12〜15分かかるので、1問目で7ページとか書くと、時間が必ずオーバーし、2問目は5ページ弱なんてことになって、非常にバランスが悪くなりました。それで、答案構成段階から6ページに収まるように構成していました。こうすると、各小問に割ける紙面がどの程度あるかも見えてきます。
新試験の問題って、旧試験よりはるかに時間が足りないと思うんですよ。問題文長いし、資料多いし、どこまで事情を拾うか、丁寧に書けばキリがないので、この設問にはこの程度のページ数しか割けないって、割り切ってバランスよくまとめることも大事ですよね。
たくさん書いた答案が必ずしも評価が高いわけではありません。内容が同じなら、コンパクトにうまくまとめていた方が、実務家の評価は高いと思います。
上位答案はものすごい事務処理能力で感心しますが、事務処理能力に自信のない人は自分にできることを確実にやって真ん中より上に入ること、沈まないことを目指すのが第一かと思います。
全科目真ん中より上に入れば、合格はできるはずです。公法系100、民事系150、刑事系100、選択50、計400点取った場合、今年は1382番です。これにちょっと+α(今年は+17点)があれば1000番以内に入れますよ。平均点くらいの答案って、論点落としも多いし、それほどたいしたこと書いてないでしょ?この程度の答案で真ん中行くんだ、と思えば3桁合格もそれほど難しくないと思えますよ。
だから、2000番くらいの合格ギリギリレベルは、決して高くありません。受験生にはものすごく高い壁に思えるのですが、難しく考えて委縮してしまったら敵(試験委員)の思う壺です。基本事項をおろそかにせず、当たり前のことを当たり前にやれば、真ん中より上に入ると思います。
この点、ロースクールでは、基本はできて当たり前と軽く流して、応用部分を掘り下げる勉強をするので、ロースクールの勉強をあまりやり過ぎると、基本がおろそかになってしまいます。基本事項は自分でしっかり繰り返して頭にたたきこんでおく必要があると思います。何度も繰り返すには、途中で投げ出さないように薄い本をメインにした方が無難でしょう。


それから、4時間答練を1人でするのは心が折れる人が多いのではないかと思うので、友達を誘って一緒に時間を計って書きましょう。他にもう1人いれば、4時間書けます。私は毎週末、2〜3人で集まって、図書館や自習室で、4時間答練(主に過去問)をやっていました。


あと、試験時間(何時に始まって何時に終わるか)、いつどの科目があるかの確認、解答用紙の枚数(科目によって違います)の確認も必ずやってください。常識のようですが、これを知らなかったり間違えたりしたせいで、今年涙を飲んだ人が身近にいるのです。


以上、長くなりましたが、試験終了後自分の勉強の仕方を振り返って、良かったと思う点、悪かったと思う点を考えて、来年に活かすよう反省していた内容です。
上位合格を狙う人には役に立ちませんが、とにかく何でもいいから合格したい人は参考にしてみてください。