こうのとりのゆりかご

先週、こうのとりのゆりかごを設置している慈恵病院を見学させて頂きました。
熊本に来るまで「こうのとりのゆりかご」という名前は知らず、「赤ちゃんポスト」という名前だと思っていたのですが、慈恵病院は最初から「こうのとりのゆりかご」という名前で運営していて、「赤ちゃんポスト」というのはマスコミがつけた名前だそうです。
匿名性のみを強調するような「赤ちゃんポスト」という名前は使ってほしくないようでした。


こうのとりのゆりかごは、あくまで相談業務の一環としてやっている試みであって、実際に慈恵病院が力を入れたいのは、妊娠・出産で悩む人の相談を受け、子供が幸せな家庭で育つ環境を作りたいということでした。
本来は実の両親の下で育てるのが一番いいのでしょうが、どうしてもそれができない場合は、中絶したり、殺害したりするのではなく、特別養子縁組制度などを利用して、施設ではなく家庭で子供を育てる環境を作りたい、そのための相談に24時間対応されていて、夜も枕元に携帯を置いて寝ているという看護部長さんのお話には、本当に頭が下がりました。
ゆりかごはあくまでも象徴であってほしい、ゆりかごを使う前に相談してほしい、ゆりかごを使わないでほしいという、病院側の熱い思いが伝わってきました。


慈恵病院は、ゆりかごを設置するために、1000万以上負担していて、一切公的な援助は受けていないそうです。
担当の方は、自分の生活を犠牲にして、1人でも多くの命を救おうとされています。
いくつかの病院が視察に来たけど、うちではとても無理だと言われるそうです。
並大抵の決意でやれることではありません。
クリスチャンの自己犠牲の精神があるからできるのでしょうか?なんだかすごいパワーを感じました。


確かに課題も多いけど、実態を知らずに、表面的なことだけを捉えて、安易に批判してはいけないなあと思いました。
はっきりとはおっしゃいませんでしたが、批判も相当受けられたようです。
マスコミは、現実をきちんと報道してほしい。


いい話を聞いたなーと思っていたら、最後にゆりかごの本の営業をされる。

決して強制ではありませんからというものの、1冊千円で、売り上げの一部がゆりかごの運営資金になると言われ、来る予定の修習生の人数分7冊が用意されている状況で、断れる人がいるのか(笑)


その後病院の見学へ。
今度建てる新館の特別室の営業をされる。
完成予定写真は、高級ホテルのようなきれいな部屋と建物で、「豪華ですねー」と言うと、「この部屋はお勧めですよ。1泊1万円ですから、産むときは5日間だけ入院するので、5万円でいいですよ。だんなさんにおねだりして、ぜひうちの病院で!」
だんなさんができたら考えたいと思います(苦笑)。