旅行4日目(富士登山)

5時起床、山頂で食べるはずだったお弁当を山小屋で食べて下山。下山ものんびり。
同じツアーに参加している人と話をしていると、ほとんどの人が富士山が初めてというよりは、山が初めてであり驚く。そう言われて見れば、真新しいピカピカのカッパやトレッキングシューズが多い。他の団体さんも似たような感じか。
個人で来ている人たちの中にも、明らかに初心者っぽい人が結構いる。その装備で登るの?と驚く人もたくさんいる。ものすごい軽装で、100円均一で買ってきたと思われるビニールカッパ、ザックカバーはゴミ袋。荷物も少なく、明らかに寒くなる天候なのに、防寒着持ってるんだろうかと心配になる。
普段全く山に登ろうなんて思わない人でも、富士山だけは登りたい、ご来光とやらを見てみたいと思うのだろう。こんな初心者ばかりで、装備も不十分な人たちに、山で泊まらせ、夜間登山させるって無理があるよなあ。ガイドさんはさぞ大変だろう。
トムラウシの事故はびっくりしたが、こういう登山者が多いのなら、事故は増えるだろうなと納得する。山なめすぎ。


ちなみに軽装の人は外国人に多い。日本人は、少なくともスニーカー、ジャージくらいは履いている。同じツアーに参加していた中国人親子の装備がすごくて、何枚も隠し撮りしてしまった。

手前の白いのがお母さん。マントのようなよくわからないカッパと傘といういでたち。黄色いカッパの娘さんは、カッパはもう少しまともだが、ぬれるとめっちゃ重くなるジーンズと極めつけのバレエシューズ。

何度見てもすごい。
添乗員さんが「他に靴はなかったんですか?」と聞いたら、「私は女の子だから他はヒールの靴しか持ってないの。これが一番歩きやすかったから。」と答えたらしい。
うちのおかんが、「そんな靴で岩場怖くなかった?」と聞いたら、「中国でもっとすごい岩山登ったことあるから、全然大丈夫!」と返ってきた。以前中国で、岩場を歩かなきゃならない山の中の観光地で、ミニスカート&ハイヒールの人を何人も見かけたが、中国人はみんなこうなんだろうか。


こんな風に人の装備をバカにしていたら、自分の靴もやばくなる。私のトレッキングシューズは母に履かせ、私は友達から借りてきたトレッキングシューズを履いていたのだが、借りてきた靴を登る前に登山口で靴を出した時点で、左足のソウルが一部崩壊していて、私ならこうなったら捨てるけどなあ…と思う状況であった。
友達は子育て中で3年以上まともに山に登っていないので、袋に入れたまま放置している間にゴムが劣化したんだろうな…。借りてきて一度もチェックしなかった私も悪いが、この靴で山頂まで持つかなあと一抹の不安を抱えつつ登山。7合目の山小屋の時点でかなり崩壊が進んでおり、このまま山頂まで行くとソウルがはげるだろうなと思う。ガムテープが手に入ればぐるぐる巻きにして、何とか下りられるか、山小屋にはたぶんガムテープかテーピングテープを置いてるだろうから、何とかなるだろう。ただ、母親が同じツアー参加者に、「うちの子はすごい山に登ってるから」などと、私がバリバリの登山家のように吹いていたので、非常に恥ずかしい思いをするだろうなと思う。初心者でないというだけで、素人は素人だ。
幸いというか、登山が中止になったので、何とか下山まで持ち、恥ずかしい思いをすることはなかった。

下山後撮影したトレッキングシューズ。


しかし、富士山は普通の山の登山と全然雰囲気が違って、山に来たという感じが全然しなかった。人が多すぎるのが一番の原因か。
他の国の最高峰に登っているのに、日本の最高峰に登ってないなんてという気持ちがあるので、そのうち剣が峰を踏みに行こうとは思うが、あの人の多さ、団体さんの多さを考えると、人の少なそうな5月か9月、10月あたりに個人で行こうと思います。
たいして歩いてもないが、母は非常に疲れたようだ。「富士山は登るより見る方がいいやろ?登るのしんどいやろ?」と言うと、うなずいていた。もう、富士山に登りたいとは言わないだろう。いや、言わないでほしい。


5合目のレストハウスで休憩後、バスで山中湖の温泉へ。温泉にゆっくり浸かって、ほうとうを食べて、バスで新宿へ。東京に近付くにつれてどんどん天気が良くなる…。
新宿に着いたのは15時半。予定より早く、20時の飛行機まではまだだいぶ時間があったので、「都庁か新宿御苑か行ってみる?」と聞くと、「新宿御苑がいい」と言われたので、でかい荷物背負ったまま新宿御苑散策。
入園が16時まででギリギリ間に合ったが、16時半で閉園になると言われる。30分しかないから、急いで回ろうと言っているのに、「お母さん、アイスクリーム食べる」と売店でアイスクリームを買って座り込む母。しかも歩きながら食べられる棒タイプではなく、カップの氷小豆。最後までやれやれだ。
でも、東京はあちこちにこういうだだっ広い公園があって、その点はいいなと思う。人が多すぎるのはうんざりだけど。
その後羽田に向かい、最終のスカイマークで福岡へ。家に着いたのは23時頃。ひたすら忍耐の4日間だった。


以上、親子2人お江戸珍道中シリーズを終わります。