旅行3日目(富士登山)

新宿8時出発、1泊2日のガイド・添乗員付きの初心者向けバスツアーに参加。普段の私からは考えられないツアーだ。
ツアー参加者は、子供から年配の方までいろんな人がいる。20代、30代も結構いる。母と同じくらいの世代の人も何人かいて、母が1人で足を引っ張ることはないだろうとほっとする。
東京は晴れていたが、富士山に近付くにつれて雲が増えていく。でも5合目(2305m)の登山口に着く頃、富士山が一望できて、希望が出たが、バスを降りてすぐに富士山は見えなくなった。

5合目で一瞬だけ見えた富士山。この後一度も姿を拝めなかった…。


5合目でお昼休憩&登山準備をしていたら、土砂降りになった。1人で来ていたら、即登山中止する天候だ。
出発時間を1時間遅らせ、雨がやんでから出発した。曇か小雨で展望は全くない。どこを見ても団体さんばかりで、ぞろぞろぞろぞろ。
すぐにトイレに行きたがる人(トイレはすごい行列)、すぐに休憩を要求する人もいて、なかなか進まない。天候といい、面子といい、今回は完全に修行モードだなと諦める。
5合目から宿泊する7合目トモエ館まで、わずか500mアップ、休憩込で3時間くらいしか歩いていない。たいして傾斜もなく、岩場も少しだけ。ほとんどが歩きやすい道で、荷物もほとんど私が持っているのに、母は完全に息が上がっている。こんな調子で山頂まで行けるんだろうかと不安になる。


17時から晩御飯。ハンバーグカレー。カレーはレトルトではなく、なかなかおいしかった。
18時就寝。山小屋は1つの布団に2人で寝るようになっていて、母の体温を感じながら寝るという体験を20年以上ぶりですることになる。いびきがうるさくてなかなか寝れない。
布団は意外ときれいで、ふかふかで快適だ。シーツもボアで温かい。なのに、母はフリースを着て、寒いと言っている。7合目の山小屋の中でこんなに寒がっていては、持ってきた防寒着で足りるだろうか不安になる。最悪、私の防寒着も着せて、カイロを3つくらい渡せば大丈夫だろうか。


22時起床。雨の音がする。非常に登りたくないが、団体行動だからしょうがない。2800mで高山病になって、頭痛がするからこのまま寝ていると言っているおばちゃんもいた。
高山病は体を鍛えているとかは全く関係なく、体質だ。3000m前後でかかる人は高山病になりやすい体質だと思うが、体調にもよるので過信は禁物。まあ、私は4000mくらいまでは大丈夫だと思っているが。
雨も降っているが、それよりも心配なのは風。7合目からしばらく岩場なのに、この悪天候の中、ヘッドランプをつけて、装備の不十分な人もいるのに集団で登山開始。低いところに泊まると、夜間登山が増える。山頂でご来光なんてものにこだわらなければいいのに。
予想通り、母は岩場を怖がった。夜間登山なんかしたことないのに、風も強いし、ヘッドランプしかなくて見えにくいから余計怖いだろう。私も団体だから怖くないが、1人だったらこの天候の中、夜間登山なんて絶対にしない。
結局、1時間近くゆっくりゆっくり登ったが、わずか100mアップした2900m地点で風が突風と呼んでいいくらいの強さになり、登山中止。また1時間くらいかけて、元の山小屋に戻って朝まで寝ることになった。


富士山は5合目から上は樹林帯もほとんどなく、遮るものがないから、天気が良ければものすごく暑いし、台風並みの強い風が吹く。この前は、1トンの岩がキャンピングカーを直撃していたから、人間なんて簡単に吹き飛ばされる。
一応走って登れる山だし、技術的に難しい山ではないけど、風と雷が怖い。風が強いときは無理して登らない方がいいだろう。
登山中止にしたガイドさんの判断は適切だったと思う。