海外研修記その7 〜ラサ編①〜

ようやくラサ編になりました。ラサとはチベット語で「神の土地」とか「聖地」という意味です。

ラサの一番の名所、ポタラ宮チベットの象徴です。1994年に世界文化遺産に登録されています。
チベットの政治的宗教的指導者である歴代ダライ・ラマが住んでいた宮殿で、チベットの聖俗両面の中心地です。とにかく大きさに圧倒されます。
ポタラは「観音菩薩が住まう地」という意味で、ダライ・ラマ観音菩薩の化身です。
主不在の現在、博物館のようになっています。

一瞬目を疑いましたが、見間違いではありません。チベットのシンボルの上に五星紅旗がはためいていました。中国人がやりそうなことだなあ。
新疆ウイグル自治区カシュガルに行った時に、町の中心部にある大きな公園(人民広場)に巨大な毛沢東像があったのを思い出しました。分離独立はさせないぞという意思の現れか、中華思想か。
まあ、地元民の反感を買うことは必至でしょう。


ポタラの入場料はチベット人1元、他民族・外国人は100元(1300円くらい)です。夏の観光シーズンはものすごく混み、見学時間を1時間に限定されることもあるそうです。入場人数が制限されているので、前日に入場券の引換券をもらうために並ばないといけないとか。
冬なので観光客は少なく、農閑期のチベット人の巡礼者が多かったです。仏像の周辺などは混んでいましたが、わりとゆっくり見学できました。
ポタラは13階、1000部屋くらいあるそうで、とにかく大きくて広いです。公開されている部屋はごく一部ですが、それを見て回るだけでも見応えがありました。

ただ、標高3600mでこの階段は息が切れます・・・。チベットの子供たちは元気に走り回っていましたが・・・。

ポタラ宮白宮。ポタラは白宮(政治部門)と紅宮(宗教部門)とに分かれています。
建物の中は写真撮影禁止(正確には1枚50元とか払えば撮れます)なので、写真はなし。建物の内部は赤と黄を基調とした色鮮やかな装飾がされています。
白宮でダライ・ラマの寝室等のプライベート空間、謁見の間などを見て、紅宮へ。
紅宮は立派な仏像や壁画がたくさんありました。チベットのどこの寺に行っても同じですが、たちこめるバターランプの匂いがすごい。仏像の周りにはヤクバターを使ったランプがあるのですが、チベット人参拝客が次々にヤクバターを足していくので、バターが溢れんばかりです。ヤクバターを奉納して火を灯し続けるのです。
歴代ダライ・ラマの霊廟には、歴代ダライラマのミイラが安置されています。トルコ石で鮮やかに装飾された巨大な黄金の柩がいくつもありました。繁栄していたことが伺われます。

ポタラから見たラサ市内。結構都会です。

ポタラの周りにはマニ車がずらり。マニ車は側面にマントラ真言)が刻まれており、内部にはロール状のお経が入っています。1回回すと1回お経を唱えた効果があるので(楽でいいな)、みんなぐるぐる回しながら歩いています。

夜はライトアップされます。幻想的ですね。
ポタラの前は、以前は家が立ち並んでいたそうですが、今は取り壊されて大きな公園になっています。

「西藏和平開放記念碑」。公園内で発見。2001年10月1日、チベット侵攻50周年を記念して作られたようです。「チベット侵攻」は、中国では「チベット和平開放」と呼ばれているそうです。
10月1日かあ。国慶節だなあ(国慶節は中国の祭日で、毛沢東中華人民共和国の成立を宣言した日です)。
記念碑の前にある3人の像は、花や楽器を持って喜ぶチベット人たちの像のようです。えげつない。
この記念碑の前で軍人が警備しているのがなんとも言えませんでした。