海外研修記その8 〜ラサ編②〜

<ノルブリンカ>

歴代ダライ・ラマの夏の離宮です。大きな公園のようになっています。

ダライ・ラマ14世が夏を過ごしていた宮殿です。1959年3月17日、ダライ・ラマ14世はこの宮殿を出発し、インドへ亡命しました。宮殿の中に展示されている時計は、ダライ・ラマ14世が宮殿を出た当時の時間をさしたまま止まっているそうです。
玉座はものすごく立派でしたが、ベッド、風呂、トイレなどは特に豪華なものではなく、意外と普通でした。
ネール首相から贈られたラジオ等、当時の電化製品もあり、宮殿全体の時が止まっているようでした。


<ジョカン(大昭寺)>

ラサの中心にある最も聖なる寺院。ラサに来る巡礼者の目的地です。
7世紀前半、チベット吐蕃)を統一したソンツェンガンポ(世界史選択者には懐かしい名前ですよね)は、ネパール王女のティツィン王妃と唐の太宗の皇女文成公主を妃としました。チベットが強かった時代の政略結婚ですね。
この2王妃は共に仏教徒で、彼女たちの勧めにより、ソンツェンガンポは仏教に帰依しました。チベット仏教の始まりです。
ジョカンは、ソンツェンガンポの死後、王を弔うために、文成公主が場所を選定し、ティツィン王妃が建立したと言われています。歴史のあるお寺です。
ジョカンの本尊は文成公主長安から持参した釈迦牟尼像です。昔はラモツェ(小昭寺)というお寺に文成公主が持参した釈迦牟尼が祀られていたようですが、現在は文成公主が持参した釈迦牟尼はジョカンにあり、ラモツェにはティツィン王妃が持参した釈迦牟尼が祀られています。
このあたりは政治的なかけひきでもあったのか、謎です。

中はこんな感じです。新年には中庭で大祈祷祭が行われていたそうですが、文化大革命中に中止され、1985年に復活したものの、1990年以降再び中止されました。

ジョカンの正門前は、いつも五体投地でお祈りをしている人がたくさんいます。
五体投地は最も丁寧な礼拝方法で、五体投地をしながらジョカンの周りをコルラ(聖地や仏像、仏塔の周りを時計回りに巡ること)している人も結構見かけました。
五体投地用の座布団のようなもの、手袋等、五体投地セットを持参している人が多いです。直接地面に体を投げ出すのはやっぱり痛いし、服も汚れるし。なんて考えちゃいけないのかもしれませんが。
ジョカンの建物の上から五体投地でお祈りしている人たちを見ていると、自分が拝まれているような気分になり、落ち着きません。

ジョカンの上からはポタラも見えました。