海外研修記その14 〜ランクル編③〜


何峠かよくわかりませんが、タルチョがきれいです。

途中の町でガイドさんとドライバーさんに何か頼み込んでいる人がいると思っていたら、ヒッチハイクなのかなんなのかよくわからないチベタンが乗ってきました。
トランクで体操座りして、家の近くまで送ってもらったようです。
公共交通機関のないこの辺りではよくあることなのでしょうか。



チェックポスト。関所です。
この道を通る車に乗っている人の身分証明書等を確認します。
今までもいくつかあったのですが、ガイドさんが全部手続きしてくれて、私たちは車の中で待っているだけでした。
ここは全員車から降りるように言われ、建物の中に入り、パスポートの顔写真を1人1人チェックされました。
その後ガイドさんが軍人に旅行日程表?を見せて説明か何かしているようで、待っている間暇だったので、つい写真を撮ってしまいました。

それがこれです。
最低気温マイナス15度かあ。思ってたより暖かい。記念に撮っとこ。くらいの気持ちで撮ったのですが、写真を撮ったのが軍人にばれ、激しくとがめられました。
多分「今何を撮ったんだ!!見せろ!!」というようなことを言われ、萎縮しながら写した写真を見せると、「これならいい」と消去は求められませんでした。
もう1枚前の関所の写真を見せたら、間違いなく激しく怒られて消去されていたと思います。その前の写真を見せろとは言われなかったのでセーフ。
後でガイドさんから「軍人の前でカメラは出すな」と注意されました。
平和ボケしている日本人は、つい忘れちゃうんですよね。



ギャウ・ラ峠(5200m)からの景色。ここからはヒマラヤのパノラマが見えます。
ものすごい絶景ですが、残念ながら逆光。
こんな所にロバ走らせてる人がいることもすごい。

こんなくねくねした道が延々と続きます。

ロンブク・ゴンパ。標高5000m。世界最高所にあるお寺だそうです。

今回の旅の目的地の1つ、エベレスト・ベース・キャンプ(5200m)に着きました。
他に観光客もおらず、この景色貸切ですよ。なんて贅沢。

夕焼けに染まるエベレストはとてもきれいで感動的なんですが、残念ながらここにも軍人がいるんですね・・・。


エベレスト・ベース・キャンプを出る頃には、薄暗くなってきていました。
ガイドさんは最寄りの町であるティンリーまで行き、ティンリーに泊まろうと言いましたが、こんな絶景をろくに景色も見ずに走るだけなんてもったいないし、朝のエベレストも見たかったので、ロンブク・ゴンパに泊まりたいとごねました。
ガイドさんは、ロンブク・ゴンパのホテルはしょぼいし、高山病になると反対しましたが、日本人3人ともロンブク・ゴンパに泊まりたいと言って、ロンブク・ゴンパの横のホテルに泊まることになりました。
観光客はエベレスト・ベース・キャンプの近くのテントに泊まるとガイドブックに書いてあったので、テントに泊まると思い込んでいたのですが、それは夏の話で、冬はテントは1つもなく、ロンブク・ゴンパの横のホテルが唯一の宿泊場所のようです。当然のように他の泊まり客はなし。
そもそもエベレスト・ベース・キャンプは、オフ・シーズンだからランクルで行けましたが、夏は規制がかかり、ロンブク・ゴンパから歩かされるようです。


5000mですから当然ですが、寒い。電気がない。水が出ない。ろうそくの明かりとヘッドランプだけが頼りです。
台所に行くと、羊の糞(?)を燃やすストーブで暖を取り、料理を作っていました。暖かいものが食べられるだけ大満足でした。
夜トイレに行くのは寒かったけど、星がすごくきれいでした。
泊まる部屋に暖房は一切なかったですが、日本から持参したダウンシュラフの上から、布団をたくさんかけて寝たので、思ってたより寒くなかったです。


今回泊まったのはラサ(3658m)とシガツェ(3836m)でそんなに高くなかったのですが、5000mで泊まるのは初めてでした。
4000m台は何回か泊まったことがありますが、私が人生で泊まった中で一番高い所更新です。
高山病はラサで軽い頭痛になったくらいで、電車やランクルで5000m以上の峠をいくつも越えてはきましたが、自分の足で登ったわけでもなく、長時間滞在したわけでもないからか、全然平気でした。
でも、5000mに一晩泊まると、大変寝苦しく、息苦しく、眠りが浅くて夜中に何度も目が覚めました。その度に、ラサで買った酸素のスプレー缶を口にあて、スーハースーハーしてみたのですが、気休めにしかなりませんでした。
酸素が薄いから腹式呼吸で深く呼吸をしないといけないのですが、寝てしまうといつも通りの浅い呼吸になってしまい、酸素が足りなくなるのでしょう。
翌朝は頭痛がして非常にだるかったです。